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オリジナル小説「秘密の八重歯」第一章 – 2

戦後に差し込んだ、一筋の光明

Y氏が住んでいた国分寺周辺には、中島飛行機武蔵工場と立川飛行場があり、米軍による空襲の標的はほぼその2カ所と周辺の航空関係の工場に絞られていた。これらの軍事拠点は甚大な被害を受けたが、民家の多くは攻撃の的にならずに大部分がそのまま残ったのだった。

 

あの日、Y氏が持ち帰った異様な光と臭気を放つ手榴弾ほどの大きさの隕石は、歯科医であるY氏の治療室の棚に無造作に置かれていた。天体観察を趣味とする彼は、いつかその隕石の正体を突き止めるべく専門筋による鑑定調査を依頼するつもりでいたが、戦後の物資不足で歯磨きすらロクにできないような庶民生活の影響から、増え続ける患者への対応に追われて、しばらく手つかずのままだったのだ。

 

 

それから数カ月が経ち、物資の不足から虫歯治療に必要な銀の供給が止まってしまい困り果てているとき、Y氏は空から落ちてきた隕石をその変わりに使えないかと思い立った。

日本で「銀歯」と呼ばれているものは、金と銀とパラジウムの合金でできているが、隕石には白金が含まれており、副産物としてパラジウムも生み出すことができるのだ。

Y氏は、長い付き合いの歯科技工士の元に隕石を持っていき、相談してみることにした。

 

「これなんですがね、どんなもんでしょう?」

歯科技工士はその隕石を手に持ってしばし眺めていたが、やがてこう言った。

「素材からして、不可能ではなさそうですね。しかし・・・こんな貴重なものを、先生よろしいんですか?」

「こんな物を持っていても、今の御時世では宝の持ち腐れというものです。私がこれを拾ったのも何かの運命かもしれません。困っている患者のためにも、ぜひお願いできませんか?」

「わかりました。ただし、もし上手く行かなくても一切の保証はできません。それでもよろしければお預かりしましょう」

 

歯科技工士はそう言って、その隕石を大事に抱えて作業場へと持っていった。

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