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オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 17

ひとときの青春時代を過ごす

ゴーゴー喫茶で飲み明かした6人(グループの4人に少女2人を加えたメンバー)は、まだ薄暗い早朝に店を出た。全員が酔っていたが、とくに少女の2人はまともに歩ける状態ではなかった。KとHとは店の前で分かれたが、ノエルとSは前を通ったタクシーを拾うと、少女の家まで送ることにした。

 

1968年 赤坂ゴーゴークラブ「マノス・ディスコ」専属ゴーゴーガール

 

「家はどこだい?」

ぐったりして寝込んでいる少女に聞くと家は小平だという。それを聞いたノエルは、運転手に住所を告げた。運転手は、困った顔をしてこう言った。

「住所だけ言われても、分かりませんよ。何か目印はないんですか」

 

ノエルがもう一度少女に聞くと、少女は津田塾大学の近くと答えた。それを聞いた運転手は、ホッとしたようにクルマを走らせた。少女の部屋は、鎌倉街道沿いにあるアパートの一室だった。2人の少女を抱きかかえるようにして部屋の寝室まで運び、2人を寝かせつけたノエルとSは、居間のコタツに腰をおろすと、そこで煙草に火を付けた。

 

「今日はうまく行ったな」

ノエルがそう言うと、Sは頷いてからこう言った。

「あれくらいのヤマは軽いさ。今度はもっとでかいことをやりたいな」

 

ノエルは、Sを見つめながら聞いた。

「オマエは、いつまでこんな生活を続けるつもりなんだ?」

Sは、“なぜ、そんなことを聞くんだ?”という表情をしたかと思うと、少し間をおいてから答えた。

「オマエには、一流のレーサーになるっていう夢があったな・・・でも、オレにはそんな夢はない。だから、オレはしばらくは今のままでいいさ。まあ、もうすこし年をとったら、海沿いの家にでも住んで、バーでもやろうと思うよ」

 

「海沿いのバーか・・それもいいな。オマエが店を始めたら、オレもしょっちゅう遊びに行くよ」

「おう、約束だぞ! そんときゃあ、でっかいアメ車で来てくれよ」

 

 

「アメ車か・・だったらフォードのムスタングがいいな。V8の6.4 Lエンジンを積んだバケモンだ」

「ムスタングか、オマエの親父のいる横田基地でも乗ってる人がいるだろ?」

 

「ああ、あの人はオヤジの知り合いだよ。オレも乗せてもらったことがある」

そんな話をしているのを、少女の1人が聞いていたのか、“わたしも乗りたいな”と呟いた。ベッドから這い出してきてコタツに入ると、煙草ちょうだい・・と言った。

ノエルは、悪戯っぽい笑顔を浮かべると、自分が吸っていたハイライトを少女にくわえさせた。

 

「君は、学生か?」

「そうよ、津田塾の1年生」

 

「あんたたちは? もしかして美大生でしょう」

「まさか・・オレたちが大学生に見えるか?」

 

「ううん・・うちの大学のそばだし、なんか垢抜けてるから、そう思っただけ」

ノエルとSは顔を見合わせて笑った。

 

「わたしは、カオリ。ベッドで寝てるのはマリコ」

ノエルとSも自己紹介をした。それから、ごく自然な流れで4人の男女は付き合うようになった。ノエルは、少女たちとすぐに男女の関係になったが、Sはそうはならなかったようだ。最初は強がって年上の女が好きと言っていたように聞こえたが、どうやらそれは本心だったのかもしれない。

 

ただ、最初は毛嫌いしていたが、2人が意外と普通の学生だったことに気づいてからは、Sが2人と打ち解けていくのを、脇で見ていたノエルも感じていた。春になるにつれて、4人は海や山をドライブしたり、赤坂のゴーゴー喫茶へ行ったりと、青春時代の短いひとときを一緒に過ごすようになった。

 

ノエルは、4月に誕生日を迎えたカオリにイヤリングを買ってあげることにした。本当は自分が買ってあげたのだが、Sと2人からの贈り物だと偽って彼女に渡したのだった。もう1人の少女マリコに気を使ったこともあったが、もしもカオリと自分が付き合うことになったら、大事なヤマを踏むための足かせとなることを直感的に感じていたからだ。

 

しかし、そんなひとときも長くは続かなかった。センパイOからの司令が次第に増えて、大きなヤマに向けての準備で忙しくなってきたからだ。それは、少女たちと付き合い始めてから3カ月後の6月中旬から始まった。

 

第三章 終わり

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