Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨 アカサカベースでは、オリジナルの高品質なサウンドグッズ(スピーカー、アンプ等)、 トーマ・キャンベルがデザインした世界に例のないアイデアを活かしたメディアアートをはじめ、 大人の秘密基地にふさわしいアメリカ雑貨やコレクターズグッズなどをセレクトして販売しています。

NOVEL

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 1

第四章 スカイライン2000GTに残された賭博師の影 ある日、センパイOに呼ばれたノエルとSは、Oを迎えに府中の東京競馬場近くの喫茶店「チェリー」へとクルマで出かけた。ノエルとSは、小金井市本町の団地駐車場に駐めてあるスカイライン2000GTをピックアップしてその店へと向かった。   喫茶店の前で...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 17

ひとときの青春時代を過ごす ゴーゴー喫茶で飲み明かした6人(グループの4人に少女2人を加えたメンバー)は、まだ薄暗い早朝に店を出た。全員が酔っていたが、とくに少女の2人はまともに歩ける状態ではなかった。KとHとは店の前で分かれたが、ノエルとSは前を通ったタクシーを拾うと、少女の家まで送ることにした。   ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 16

小さなヤマのあとの美酒に酔う 次の日曜日、ノエルと少年S、グループのKとHの4人は、立川のジャズ喫茶の前で落ち合うと、夕方の時間にスーパーIYへと向かった。発煙筒はHが持ってきたものと合わせて2本ある。前日の土曜、Kと2人で電車の運転台から盗んだものらしい。発煙筒に火を付けて店員を脅す役はH、レジの売り上げ金を奪うの...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 15

消えた謎の指示書と発煙筒 賭博師Oは、公園である男と会っていた。身なりのしっかりした中年男性で、黒の中折れ帽を被っている。Oとその男性は、公園の同じベンチに腰掛けながら話をしていた。共に、相手を見ることはせずに、前を向いたままのやりとりだ。   「今のところ、すべて思い通りに事は運んでます」 Oがそう...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 14

明かされた賭博師の意外な素性 3つの銀行の現金輸送車の追尾は、主に給料支給日である25日に行われた。当初、センパイOがターゲットにしていた府中の東京競馬場の現送車は、早い段階で候補から外された。   現送車を襲撃するには、輸送ルートが人目の多い道であること、ダービー当日は朝から見物客が行き交っており、犯...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 13

学生運動が盛んな時代に練られた計画 この年、1968年は日本だけでなく、世界的にも動乱が相次ぐ年だった。プラハの春、キング牧師暗殺、5月革命、そして日本では1月の佐世保エンタープライズ寄港阻止運動にはじまって、3月に起きた東大紛争でそのうねりはピークに達していた。   ベトナム戦争に反対する世界中の若者...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 12

メンフィスでの3人の密談 翌日、ノエルは午後3時に「メンフィス」へと向かった。店内に入ると、少年Sがいつもの席に座って煙草をふかしていた。   店に入ってきたノエルを見て、Sは左手を上げて「よお!」と合図をした。ノエルは、オーナーにオーダーを告げて飲み物を受け取ると、Sの前の席に座った。  ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 11

羊の皮を剥かれた、直列6気筒SOHC ノエルが喫茶店メンフィスに戻ってみると、ちょうどセンパイOが雑誌のボーイズライフを読んでいるところだった。それに気がついたノエルは、Oに向かってこう言った。   「すみません、それ、オレの雑誌なんですよ」 「おお、そうだったのか、わりいわりい」   ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 10

メンフィスで浮かんだ大きなヤマ 少年Sとノエルの愛読書となっていた雑誌「ボーイズライフ」に、大藪春彦のハードボイルド小説『血まみれの野獣』の連載がスタートしたのは、1968年1月のことだった。恋人との離別や両親の自殺、レース界追放といった不幸にあったオートバイの元レーサーが社会に復讐する物語である。   ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 9

反政府・反米のうねりと、立川グループの台頭 ノエルが、アメリカンスクールの高学年に進級するころ、少年Sは立川の非行グループのリーダー格として地元の不良の間でもよく知られる存在となっていた。立川グループは三多摩地区で窃盗や暴行を繰り返す30名ほどの集団として名を轟かせており、特にオートバイやクルマの窃盗については、キー...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 8

八重歯がもたらした特殊な能力 ノエルの虫歯治療の件は、当然のことながらリチャードの耳にも入っていた。ただし、歯の詰め物に隕石が使われたことを彼は知らない。この件を話してしまうのは、CIAの守秘義務にも抵触するうえ、その在り処を執拗にGHQが追っていたことを思えば、誰にも話さないほうが身のためであることはキヨが一番良く...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 7

大切に保管されていた一欠片の隕石 キヨとノエルは、国分寺駅北口にあるY氏の歯科医院の前でタクシーを降りた。はじめてキヨがこの場所を訪れてから12年の年月が経つが、住宅が増えてはいるものの大きな変化はない。キヨとノエルは、歯科医院の門扉を開けて敷地内に入ると、玄関の呼び鈴を鳴らして院内へと入った。待合室には患者が2名座...

Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨 アカサカベースでは、オリジナルの高品質なサウンドグッズ(スピーカー、アンプ等)、 トーマ・キャンベルがデザインした世界に例のないアイデアを活かしたメディアアートをはじめ、 大人の秘密基地にふさわしいアメリカ雑貨やコレクターズグッズなどをセレクトして販売しています。

〒107-0052 東京都港区赤坂7-5-46 #101

TEL:03-3584-0813

営業時間:13:00〜18:00
定休日:土日祭日

MAPを見る

Notice 工房へいらっしゃる場合は、事前にメールか電話で連絡の上お越しください。