Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨 アカサカベースでは、オリジナルの高品質なサウンドグッズ(スピーカー、アンプ等)、 トーマ・キャンベルがデザインした世界に例のないアイデアを活かしたメディアアートをはじめ、 大人の秘密基地にふさわしいアメリカ雑貨やコレクターズグッズなどをセレクトして販売しています。

オリジナル小説「秘密の八重歯」第五章 – 5

犯行前夜の最終ミーティング 12月9日、決行日の前日となる月曜の午後、ノエルと少年Sは最終ミーティングのために賭博師Oの家へと別々に向かっていた。ノエルは立川から、少年Sは新宿のゲイボーイ宅から電車で別々にやってきた。この日の天気は曇りだが、決行日となる翌日の天気は雨の予報だ。   Oは、少年Sのために...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第五章 – 4

犯行の表舞台に立つ2台のカローラ センパイOから2人への次の司令は、犯行に使う2台のクルマを用意することだった。特にこの2台は重要な意味を持つ。1台は現金輸送車からジュラルミンを載せ替えて逃走用に使うクルマ。もう1台は、現送車の前を走って栄町の空地で白バイに乗り換える際に使うクルマである。2台は、なるべく目立たない、...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第五章 – 3

銀行への脅迫状とダイナマイトの偽装工作 賭博師Oは、黒い帽子の男からの指示で銀行へ送る脅迫状と、ダイナマイトに見せかける発煙筒の偽装工作に取りかかっていた。脅迫状には、雑誌の活字を原稿用紙に切り貼るという、今まで多摩農協へ送ってきた脅迫状とは異なるやり方を使った。この活字の切り貼りに使ったのは、近所のゴミ置き場に捨て...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第五章 – 2

現金抜き取り現場のトリック SがセンパイO宅の居間へ入っていくと、Oは“おつかれさん”と声をかけて居間のソファへと導いた。ソファにはすでにノエルが座って待っていた。Sがノエルの横に座ると、Oは対面の椅子に腰を掛けて話しはじめた。   「この間のアジトの件だが、やはり短期間で用意するのは難しい。仮に庭付き...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第五章 – 1

第五章 ホンダドリームからヤマハスポーツへ 11月に入ると、現金強奪に向けての準備がいよいよ佳境に入ってきた。まずは、少年Sが扮する白バイ警官が乗るオートバイの調達だ。当時の白バイといえば、そのほとんどはホンダ製である。そこで、ターゲットをホンダの中型以上のバイクに絞って物色を進めることになった。   ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 16

完全犯罪のカギを握る秘密の場所 賭博師Oは、ノエルと少年Sが盗んだクルマを保管している小金井の本町団地を、犯行に使ったクルマの乗り捨て場所として最適であると考えていた。新興の団地故に住民同士の付き合いが希薄な上、駐車場の管理もされていない。来客用の駐車場は無法地帯となっているのである。この場所に、シートカバーをかけて...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 15

3人による初めての予行演習 1968年10月25日、賭博師Oにノエルと少年Sを加えた3人は、東芝行きの現金輸送車の8回目の見張りを行った。今回は、具体的な本番に向けたリハーサルとして実施することになった。3人の役割分担は以下である。   1.日本信託銀行の前で現送車の出発を確認し、先導車にそれを知らせる...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 14

多摩川沿いで繰り広げられたカーバトル 横浜に一晩泊まったノエルとカオリは、翌朝ホテルをチェックアウトすると、スカイライン1500に乗ってカオリのアパートのある小平へと向かった。国道466号線から府中街道を経由して多摩沿線道路をしばらく走っていると、ノエルが運転するスカイラインを全速力で追い越していくクルマがあった。 ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 12

具体的に示された周到なる計画 9月25日の東芝給料日、国分寺の日本信託銀行から出発した現金輸送車を追尾した後、学園通りから国分寺街道の栄町周辺をロケハンしたサニーデラックスは、国立にある賭博師O宅の庭でエンジンを止めた。Oは2人を自宅のなかへ招き入れて、居間のソファへ座るようにと促した。 テーブルの上には、現金輸送...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 11

9月に3人で描いた青写真 9月25日の“リハーサル”に向けて、ノエルと少年Sに課されたのは、現送車を追尾するための新たなクルマを調達することだった。大きなヤマに向けては、まだやらなくてはならないことは多いが、現送車に気が付かれては元も子もない。万全を期して実行するためには周到な準備が必要だ。普段は大胆すぎるくらいに横...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 10

自由を求めて、一瞬のスキを突く その頃、少年Sは密かに鑑別所からの脱走を企んでいた。1968年の9月4日、鑑別所では収監者をぶどう狩りへと連れて行き、収穫の手伝いをさせる予定だった。「大野ブドウ園」という施設である。Sは、数日前からこの日の移送中に少しでもスキがあれば脱走しようと考えていた。   Sは、...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 9

もう一つあった現金輸送コース ノエルは、今日気がついた留意点を頭の中で整理しながら、ブルーバードを運転して小金井の本町団地へと向かった。そして、団地内に停めてあるホンダのカブに乗り換えると、国立の駅前にある喫茶店に入った。いつもなら、報告のためにすぐセンパイOの家へと向かうところだが、この日に関しては11時頃に来るよ...

Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨 アカサカベースでは、オリジナルの高品質なサウンドグッズ(スピーカー、アンプ等)、 トーマ・キャンベルがデザインした世界に例のないアイデアを活かしたメディアアートをはじめ、 大人の秘密基地にふさわしいアメリカ雑貨やコレクターズグッズなどをセレクトして販売しています。

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