Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨 アカサカベースでは、オリジナルの高品質なサウンドグッズ(スピーカー、アンプ等)、 トーマ・キャンベルがデザインした世界に例のないアイデアを活かしたメディアアートをはじめ、 大人の秘密基地にふさわしいアメリカ雑貨やコレクターズグッズなどをセレクトして販売しています。

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 16

ワシントン郊外から、キャンプフィンカムへ ワシントン郊外のアーリントンでの生活に戻ってから、キヨはCIA本部からの司令通り、米国務省での日本語教師の仕事に復帰し、忙しい日々を送っていた。しかし、ノエルのいない毎日は仕事にこそ集中はできるものの、魂の一部が欠けたようで、気持ちがすっきりと晴れることがない。  ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 15

ワシントンDC郊外への帰省と仕事への復帰 それから2週間が経ち、キヨはノエルを実家に預けたまま、単身でワシントンへと帰らざるを得なかった。あの厳格な母に、いくら懇願したとしてもノエルを連れ戻すのは不可能に決まっている。ましてや、キヨの知らぬ間に強引に養子にまでしてしまったのだ。兄が戦死してしまい、跡継ぎのいない山田家...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 14

黒い電話から伝えられた、思いもよらぬ出来事 キヨが横浜の米国領事館でCIAの局員たちの日本語教官に就いてから半年後となる1952年4月、最後のCIA局員が最終テストに合格したのを機に、キヨの日本での任務はようやく終りとなり、ふたたびワシントンに戻るようにとの通達がCIAから送られてきた。2週間の休暇の後、ラングレーの...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 13

思い出の場所にて、Y氏との6年ぶりの再会 ノエルを実家に預けてからのキヨは、横浜の米国領事館での日本語教師の仕事に精を出した。アメリカで1年間の日本語教育を受けたあと、日本へと赴任してさらに米国領事館で1年間の語学を学んだCIAのスパイたち。厳しい試験をパスしてきた猛者たちの語学力を最終的にチェックし、国としての主権...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 12

家族との5年ぶりの再会、そしてノエルとの別れ それから数日後の週末、キヨはノエルを連れて麻布の笄町にある実家へと向かった。実に5年ぶりの里帰りである。国鉄京浜線で品川まで行き、そこからはタクシーで笄町へと向かうルートだ。こうした交通費や宿泊費などはすべて経費として申請することができる。交通手段や宿泊先を選ぶのはエージ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 11

ワシントンから羽田への晴れ晴れとした旅路 日本への旅立ちの日、キヨとノエルは夫の運転するマーキュリー8で、自宅のあるアーリントンのブルーモントから、ワシントンナショナル空港へと向かっていた。時間にして、わずか12分という距離である。リチャードが勤務するペンタゴンにも5分以内で行ける場所にその空港はある。  ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 10

ひとときの家族団欒、そしてふたたび別居生活へ CIAの語学教育責任者から呼ばれて、新たなミッションを宣告されてから数日後、リチャードからペンタゴンへの転勤が決まったという知らせがキヨの元へ届いた。彼からすれば、これでやっと親子3人そろっての生活ができるという喜びに満ちた報告である。 まさか、キヨが日本に帰国しなけれ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 9

バージニア州アーリントンでの新生活 キヨとリチャード、それにノエルの家族3人は、バージニア州のアーリントンにある一軒家に移り住んだ。大きな通り沿いに建つレンガ造りの家で、平屋だが屋根裏が付いたオーソドックスな建物だ。ワシントンDC郊外の家並みは、広い道路に大きな庭のある平屋建ての建物が多い。敷地が広いため2階建てにす...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 8

ノエルの幼年期にとって大きな存在だったアリス 週が開けて、アリスはベビーシッターの最初の訪問日となる月曜日に、キヨが待つリチャード宅を訪れた。季節は6月の後半ですでに大学は夏休みに入っていたが、キヨは毎日通学して単位をとるための勉学に励んでいた。   [caption id="attachment_...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 7

近所に住んでいた“メアリー・ポピンズ” ノエルが生まれてからのリチャード家は、激動の日々だった。リチャードは、アメリカ陸軍航空軍 (U.S.Army Air Forces; USAAF) の所属だったが、1947年9月18日にスチュアート・サイミントンの初代空軍長官への就任が承認されたことで、ノエルが生まれたころには...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 6

流れ星が運んでくれた“星の王子さま” リチャードの星への願いが通じたのか、入籍から数カ月後にはキヨの妊娠が判明した。その知らせを受けて一番喜んだのはリチャードだった。もちろん、キヨも嬉しかったのだが、産休で大学を休まなくてはならなくなること、育児と勉学の両立、そして何よりも中央情報部が難色を示すのではないかという不安...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 5

半年後の6月に響いた3つの鐘の音 翌年の1947年の5月3日、日本で新しい憲法が施行されるころ、キヨはリチャードの熱烈なプロポーズに根負けするかたちで、彼と結婚する決意を固めていた。式はリチャードの地元、クリーブランドでもっとも由緒のあるオールド ストーン教会で挙げられることになった。その名の通り、古い石造りの歴史的...

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