ジャズ喫茶 ベイシー Swiftyの譚詩
ジャズ喫茶の”聖地“と呼ばれる店
岩手県一関市のジャズ喫茶「ベイシー」といえば、日本のジャズ喫茶の聖地と呼ばれるほどの名店である。まず、店のたたずまいが良い。ドイツのバンガローのような外観に、丸い文字でBASIEの看板。はじめて訪れた客でもすぐここだと分かる瀟洒な建物だ。
ドアを開けて店内に入ると、それは紛れもないジャズ喫茶の雰囲気。ドアの正面側に位置するJBLのスピーカーをはじめ、さまざまなレコードや来訪者のサインなど、目に入ってくる情報量は多いが、それらが整然と置かれている。そして、座席の配置もよく考えられていて、音を楽しみたい人、インテリアに興味がある人、珈琲を味わいたい人、店主と接したい人など、目的別に客席を選べるようになっている。
そして、とにかく度肝を抜かれるのが、ベイシーの名を世界に轟かせた音響のスゴさだ。コンサートで聴く生演奏よりも音が良いと言えば、伝わるだろうか。レコードから発せられる音が、これほどまでに研ぎ澄まされ、迫力をもって響くのを経験したことはない。ベイシーの音の秘密について知りたければ、現在公開中の映画を観てほしい。店主本人の口から、オーディオ装置へのこだわりやその秘訣について聞くことができるので、あえてここでは書かないようにする。
ジャズ喫茶と店主に焦点を当てたドキュメンタリー
「ベイシー」の店主、菅原正二氏と店に焦点を当てたドキュメンタリー映画「ジャズ喫茶 ベイシー Swiftyの譚詩」は、2020年9月18日から渋谷と吉祥寺のUPLINKにて公開されている。ドキュメンタリーで1時間45分というのは長尺だが、渡辺貞夫や鈴木京香、坂田明、中村誠一、村上”ポンタ”秀一、エルビン・ジョーンズ(敬称略)といったゲストが次々に登場するので、退屈せずに観ることができる。
映画の前半部分で、菅原氏自らの口からベイシーの音の秘密について語られる。わたしはすでに、菅原氏の著作でこの音の秘密については知っていたのだが、はじめて聞く人にとっては、目から鱗が落ちるような話に違いない。オーディオの音を極めることは、実はとてもシンプルなのである。
実際にベイシーへ何度か行ったことがあるわたしは、オーディオ装置はもちろんなのだが、映画では触れられていない、サウンドアーキテクチュアこそが、もう一つの秘密ではないかと思っている。仮に同じ装置を使っても、空間の音響特性やセッティングを極めないと、決してあの音は出せないだろう。
菅原氏の細やかなチューニング、家具の配置から照明、空調といったものすべてがトータルな音響装置となってはじめて、あの音を生み出しているのだ。
ジャズ、そしてオーディオへの深い愛なくして、ベイシーのような音は生まれないだろう。
Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨
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