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アカサカベースが選ぶ、秘蔵の名盤 第11話

加橋かつみ「1971 花」

アカサカベースの廃盤アワーでも紹介した、元タイガースの加橋かつみの作品だが、今回は彼が1971年に発表した2ndアルバムの「1971 花」を秘蔵の名盤として取り上げたいと思う。1stアルバムを1969年に発売後、加橋はミュージカルの「ヘアー」に出演して大成功を収めるが、打ち上げの際に劇団が開いた大麻パーティが社会問題となり、予定されていた大阪公演は中止となってしまう。また、加橋を支えていたレストラン「キャンティ」のオーナー川添浩史が公演中の1970年1月10日に肝臓癌のため逝去(享年56歳)。川添を実の父親のように慕っていた加橋は、大きな精神的打撃を受けることになった。

 

 

翌年には、加橋が所属していたザ・タイガースも1971年1月24日の日本武道館公演を最後に解散となり、彼にとっては一つの時代が終わりを遂げるような出来事が重なっていく。そんな時期に、加橋は2ndアルバムの制作にとりかかる。「1971 花」と題されたこの作品には、当時17歳の荒井由実が作曲家として記念すべきデビューを果たした「愛は突然に…」が収録されている。もともとは荒井が14歳のときに作詞作曲した「マホガニーの部屋」という曲が原曲だったが、加橋によって詞は書き換えられて違う曲に生まれ変わっている。

 

 

尚、「マホガニーの部屋」は手直しされて「翳りゆく部屋」としてその後、荒井由実のアルバムに収録されている。両者を聴き比べると、確かにコード進行は似ていて、荒井が音楽活動をはじめるきっかけになったというプロコム・ハルムの「青い影」に強く影響を受けた曲調となっている。

 

さて、「1971 花」に話を戻すと、このアルバムで加橋は12曲中10曲で作詞を手掛けているほか、5曲で作曲も手掛けるなど、アーティストとしての才能を遺憾なく発揮している。加橋以外には、作曲で前出の荒井由実に加え、村井邦彦、瀬尾一三、すぎやまこういちが参加しているほか、作詞で阿久悠、レーサーの福澤幸雄の妹・福澤エミも1曲ずつ詞を提供している。

 

随所にパイプオルガンが効果的に使われ、弦楽器や吹奏楽奏者による豪華な伴奏が組まれた楽曲は、加橋による内省的な心情で綴られた歌詞によって、組曲のような美しさを編んでいく曲構成が素晴らしい。統一感のある重厚なアンサンブルと、当時の加橋の心情からくる悲しさ(おそらくそれは父親のように慕っていた川添浩史の死がもたらした喪失感からくるものだろう)が全編を覆っており、前作以上にトータルなコンセプトアルバムとして完成された作品となっている。

 

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