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アカサカベースの廃盤アワー 第10話

オリジナル・サウンドトラック「ピクニック」

アカサカベースの廃盤アワーの第10話で紹介するのは、1955年のアメリカ映画「ピクニック」のサントラ盤。ジャズスタンダードの「ムーングロウ」をフューチャーしつつも、ジョージ・ダニングのオリジナルスコアと、オークストラの指揮を担ったモーリス・ストロフが素晴らしい仕事をしており、単なるサウンドトラックの域を超えた現代音楽としても大いに評価できる内容となっている。

 

 

 

ブロードウェイのヒット作を映画化! 息を呑むダンスシーンが見もの。

もともとは、ウィリアム・インジがブロードウェイ劇のために書いた戯曲を映画化したのがこの映画だが、監督は今作で初のメガホンを執ったジョシュア・ローガンで、ブロードウェイの監督も担当していた影響であろう、ときに舞台劇を観ているかのような長回しの演出が目を引く。最大の見どころは、ピクニック中に踊り出すウィリアム・ホールデンとキム・ノヴァクによる、うっとりするようなダンスシーン。観るものに希望を与える二人の演技は、日本でも評判を呼び映画はヒットした。

 

 

主人公たちの心の機微を見事に表現したスコアと名曲ムーングロウが光る

このサウンドトラックが素晴らしいのは、名曲ムーングロウの忘れられない旋律はもちろんだが、古き良き時代のアメリカを舞台に主人公たちが織りなす心の機微を繊細に表現しているオリジナルスコアの秀逸さにある。ときには可憐に、そしてドラマティックに変化していく楽曲は、まるでオペラを観ているかのような抑揚に富んでおり、スコアそのものが演劇的だ。劇伴としてではなく独立した組曲としても聴きごたえ十分な作品となっている。映画も素晴らしいので、気になった方はぜひ一度観てほしい。この映画より2年前に公開されて大ヒットした西部劇「シェーン」を大人向けにしたような名画である。

 

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定休日:土日祭日
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