アカサカベースの廃盤アワー 第12話
タモリ「タモリ」
このレコードは、1977年に東芝EMIから発売された。タモリのデビューは1976年の東京12チャンネル『空飛ぶモンティ・パイソン』での密室芸コーナーであることから、デビューから間もない頃(当時31歳)に制作されたレコードである。プロデューサーは編集者の高平哲郎、写真は浅井慎平、サウンドエフェクターに赤塚不二夫、エグゼクティブ・プロデューサーに村井邦彦らの大物が名を連ねる、当時としては異色中の異色のレコードだった。
オールナイトニッポン(ニッポン放送)から発祥
1976年10月からは、ニッポン放送の深夜ラジオ「オールナイトニッポン」でパーソナリティーを担当。ハナモゲラをはじめ、架空の中洲産業大学教授や、四カ国麻雀、作家の寺山修司や野坂昭如のモノマネ、本人が好きだったジャズをはじめとする音楽放送など、放送コードが柔軟だった時代のラジオ生放送という特性も相まって、今では考えられない抱腹絶倒のネタが続く人気番組となった。
このレコードは、宴会の密室芸で培われた持ちネタと、オールナイトニッポンで放送された音響効果を交えたギャグの総決算として制作されたエンターテイメントアルバムだ。オリジナル盤は東芝EMIだが、後にアルファレコードから再発され、「タモリ2」「タモリ3 戦後日本歌謡史」へとつながる3部作の第1作目となった作品である。
色濃く感じられる大橋巨泉からの影響
1965年、早稲田大学文学部哲学科に入学した彼は、モダンジャズ研究会に属しトランペットを吹いていたが、後に司会とマネジャーを担当することになる。学生バンドの司会としてTBSラジオの番組「大学対抗バンド合戦」に出演した際には、大橋巨泉からその才能を認められている。
大橋巨泉は早稲田大学の先輩にあたり、大学を中退してジャズ司会者から芸能界へと転身した点、ハナモゲラと同様、デタラメな日本語のパイロット萬年筆CMに出演していた点など、多くの共通点がある上に巨泉のモノマネもしていることから、かなり影響を受けていたのは間違いないだろう。放送作家、芸能プロダクション社長、実業家として大物となった巨泉を皮肉った発言も多かったが、実は尊敬している面もあったのではないだろうか。
レコードを見つけた瞬間に、サングラスを落とす⁉
永らく廃番で入手困難だったこのレコードをお店で見つけたわたしは、その興奮のあまり頭にかけていたサングラスを落としてしまったのだが、なんと・・その際にサングラスの片眼レンズが外れてしまうアクシデントに見舞われた。そのショックよりも、「タモリ」のジャケットと片眼のサングラスの対比が面白くて思わず笑ってしまった。
「オマエも、そのサングラスで行けよ」と、タモリさんに言われているような気がして、わたしは片眼のサングラスを記念に持ち帰った。家に帰って夕食をとりながらその話をしていると、テレビでは偶然「ブラタモリ」が放送されているというシンクロニシティ❗
この日の夜、わたしは就寝する前にネットオークションで「タモリ3 戦後日本歌謡史」を見つけ、終了間際で落札することができた。まさにタモリデーの1日❗ 次はご本人と出会える日を信じて、しばらくは片眼サングラスで街を歩いてみたいと思う(笑)。
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