クロスオーバーカフェへようこそ♬ 心地良いアルバム その3
ニルス「Pacific Coast Highway 」
このブログでは、個人的な郷愁を込めてタイトルを“クロスオーバーカフェ”としているが、音楽業界広しといえど、このジャンルほど目まぐるしく呼び方が変化してきた音楽はないのではないだろうか。その変遷をたどると以下のような感じだ。
ジャズロック(1960年代)→ クロスオーバー(1970年代)→ フュージョン(1980年代)→ ジャズファンク(1990年代)→ スムーズジャズ(2000年代)etc…
油断していると、さらに新たな呼び方が登場しそうな気もするが(笑)、今回はスムーズジャズを代表する一人であるドイツ出身のギタリスト、ニルスが2005年に発表したアルバム「Pacific Coast Highway」を紹介したい。
ニルスは、1980年代中頃にカリフォルニアへ移住してサウンドエンジニアなどをしながら、地道に音楽に携わり続け、1998年に自主制作アルバム「Blue Planet」をリリース。その後はテレビや映画音楽の仕事の合間に、ジョージ・ベンソン、ポール・ジャクソン・JRといったアーティストと仕事をするなど、スムーズジャズ・シーンとは密接に関わってきた。
そして、満を持したタイミングで発売したのが、この「Pacific Coast Highway」だ。タイトル曲の「Pacific Coast Highway」はRadio&Recordsのスムーズジャズ・チャートでNo.1になるなどのヒットを飛ばし、ニルスは一躍スムーズジャズ界の中心アーティストに数えられるようになる。
現在は、レコードやCDといった既存のメディアよりも流行りの音楽はサブスクで聴く時代。そんな影響もあってニルスの作品は、基本的にダウンロードするかサブスクで聴くのが定石。クロスオーバーカフェでは、とにかく聴いていて心地の良いレコードを選んで実際にターンテーブルで流しながら記事を書いているのだが、今回は特別にYoutubeにアップロードされているものを聴きながらのレビューである。なにせ、CDを購入したくともなかなか手に入らないのだから仕方がない。
ニルスのギターは、あくまでメロディーラインを重視した演奏が基本で、よくありがちな派手なテクニックをひけらかすような部分はほとんどない。クロスオーバー、フュージョン、スムーズジャズと呼び方は変わっても、時代を越えて人々に愛されるアルバムには、ある共通した特徴がある。それは、派手な演奏テクニックはなるべく抑えて、いかに音楽性を重視するかという点である。
時代を越えて愛され続ける名作、ジョージ・ベンソン「ブリージン」、グローバー・ワシントンJR「ワインライト」、リー・リトナー「RIO」といった作品を聴けば、そのどれもがこの法則に則っていることに気づくはずだ。そして、今回紹介するニルスの「Pacific Coast Highway」も、そんな作品の一枚なのだ。
海岸線をクルマで走っている光景をイメージしながら(あるいは実際に走りながら)、1曲目の「Pacific Coast Highway」を聴いてみてほしい。きっと、その情景がまるで映画のワンシーンを見るかのようにドラマティックに変貌を遂げるに違いない。Let’s Run With Music ♬
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