レコードラックを自作してみよう! その1
市販品にはない、思い通りのサイズで制作できる
レコードが増えていくと、もっとも困るのが収納スペースではないだろうか。最近のレコードブームに乗じて市販のレコードラックも様々なものが売られているが、よくあるのはラックの上段にレコードプレーヤーが置けるようになったDJスタイルのもの。これはこれで良いのだが、大抵はプレーヤーに合わせて奥行きが40cmになっているタイプが多い。
しかし、置くスペースによっては部屋が狭くなってしまうこともあるだろう。もっとコンパクトに収納したいなら奥行き30cmのLPサイズに合わせたラックが欲しいケースも多いはずだ。
また、市販ラックの場合は裏板が付いていることが多いが、実はこの裏板はあまり必要ではない。レコード棚は大抵は壁に設置することが多いし、仮に間仕切りとして置く場合でも裏板は無いほうが使い勝手が良い。何故なら、両サイドからレコードが取り出せるし、通気性が良くなるためカビ防止にも役立つからだ。
そして、多くの市販品はコストを抑えるためにMDF(中密度繊維板)にツキ板や木目シートを貼ったような製品が多く、どうしても無垢材と比較すると高級感で見劣りしてしまう。長く付き合うには、上質な家具のほうが愛着も湧くし満足できることは過去の経験からも明らかだ。
そこで、思い切ってレコード棚を自作することにした。市販品にはない、思い通りのサイズで制作できるのも大きなメリットだ。
思ったより簡単に作れるレコード棚
今回は、ホームセンターで杉集成材(1820×300を2枚、910×300を2枚)を使ってラック用に木をカットしてもらった。パーツとなるのは、910×300の板が3枚、330×300の板が6枚、これに板を固定するためのL字金具が16個。かかった費用は、木材とカットで合わせて約9,800円。L字金具が800円、それに塗装用の水性ステインが1,000円で合計11,600円くらいである。
仮に、市販のラックを買ったとしても、組み立ては自分で行わなくてはならない。今回のような単純なDIYであれば、ホームセンターでカットさえしてもらえば、組み立て作業にはさほどの差はないだろう。ちなみに、同じ4マスタイプの市販のラックは16,000〜23,800円くらいで売られているが、大抵が正方形4マスで収納枚数320枚、横幅75cm程度のものが多い。
わたしの場合は、設置スペースに横幅90cmの余裕があったが、これにピッタリな市販品が無かったのも自作を選んだ大きな理由である。
組み立ての方法については、いたってシンプルだ。土台の大きな板に小さな板を1枚づつ木工用ボンドで固定していき、ボンドが固まってきたら2段目の大きい板を再度ボンドで固定。ボンドが固まるまでは接着面に隙間ができないようにレコードなどの重りを乗せて数十分待つ。
ボンドが固まったら、L字金具で板同士を固定して棚の強度を確保する。今回はL字を使ったが、釘や皿ネジを使ってもOKだろう。これらの作業は思いのほか簡単で、DIY初心者の方でも無理なく作業できるはずだ。
塗装には水性のステインを使うと作業がラク
次は、塗装の工程である。ちなみに、白木のままでも見た目はそれなりに良いので、ナチュラルウッドがお好みの方なら塗装は省略しても一向に構わない。わたしは、ヴィンテージ調の木目が好みなのでマホガニーのステインで塗装してみた。
ポイントは、水性のものを使うこと。油性のニスなどは扱いが面倒なので避けたほうが良いだろう。水性ステインの塗装は、ペイントではなく木を染めていく感覚に近い。ハケを滑らせるように塗っていくだけなので作業もはかどるのだ。また、木目を生かせるのもステインの利点である。
自作したラックの上の小さな箱は、ホームセンターで偶然見つけた収納箱。シングル盤の収納にちょうど良さそうなのでついでに買ってきた。これも同様にマホガニーに塗装して、完成したのが右上の写真である。
省スペースでも400枚のLPレコードが収納可能
レコード棚が完成したので、さっそくレコードを収納してみた。1マスに入るレコードはちょうど100枚。これは測ったわけではなくて偶然の産物である。横幅91cmの板で4マス(又は2マス)のラックを作ると、1マスに100枚収納できると覚えておけば良いだろう。
レコード棚の上に、ホームセンターで買ってきた収納箱を置いてみると、まるでレコード店の棚のように見えてすこし気分が上がった。シングル盤というのは、コンパクトではあるがこれもまた収納に困る存在である。この棚なら奥行きも30cmとサイズもピッタリなので都合が良い。
ちなみに、今回制作したレコード棚は、更にレコードが増えた場合は増設が可能である。ホームセンターで同じように木材をカットしてもらえば、三段、四段と積み重ねることもできる。レコードの収納で困っている方は、思い切って自作してみてはいかがだろうか?
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