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ムーディーレコードの誘惑 第8話

マーティ・ペイチ「I Get a Boot Out of You」

このアルバムが発売されたのは1959年のこと。ハリウッドの映画音楽を録音するために、ウエストコーストに名うての白人ジャズミュージシャンが集まって一つのムーブメントを形成していた時代である。映画音楽の制作では物足りない彼等は、夜になるとジャズセッションを各地で行っていたが、そうしたミュージシャンたちの音楽をレコードとして記録したのが、パシフィック、コンテンポラリー、モード、タンパといったレーベルで、これらの作品のことを俗にウエストコースト・ジャズと呼んでいる。

 

 

マーティ・ペイチは、当時人気だったスタン・ケントン、ウディ・ハーマン、カウント・ベイシーといったビッグバンドの編曲を担当していた作曲家、編曲家、ピアニストである。彼の残した業績は多岐に渡るが、その中でもジャズファンに長きに渡って愛されてきたのが、花形アルトサックス奏者のアート・ペッパーをフューチャーした3枚のアルバムだ。

 

1956年に録音された「マーティ・ペイチ・カルテット〜フィーチャリング・アート・ペッパー」 と並んで人気なのが、ビックバンドを編成して吹き込まれた「ブロードウェイ・ビット」と、この「アイ・ゲット・ア・ブート・アウト・オブ・ユー」の2枚。前者はブロードウェイの楽屋で踊り子が本を読んでいる姿のカバーデザインが秀逸で、後者のカバーは浴室でショートカットの女性が振り向いている写真が印象的だ。

 

 

今回は、やはり色気で勝る?後者のほうをムーディーレコードとして取り上げたのだが、マーティ・ペイチ楽団として1959年の初夏から夏にかけて録音されたこの2枚は甲乙付け難く、かつて生産されていたCDでは1枚に両盤が収録されていて、ジャケットを裏返すともう一方のカバーデザインが現れるという親切な作りになっていた。

 

ビックバンドにおけるペイチの編曲手法は、ブラスによるユニゾンを中心に据えたものが多く、ハーモニーはあまり重視していない。また、シャープでスピード感のあるリズムと品の良い白人ジャズ特有のクールさが魅力である。そして、音楽的な高揚をさらに高めているのが、随所に聴かれるペッパーのアルトサックスソロで、いったん彼がソロを吹き始めると、その場の空気が変わるくらいに光り輝き躍動していく様子が手に取るように分かる。

 

ムーディーレコードとしては、歌モノでもイージーリスニングでもない異色の“中身”ではあるが、今回はあえてこのビックバンドによるジャズアルバムを紹介してみた。古き良きゴールデンエイジのハリウッド、そんな空気感に満ちたこのレコードをぜひ一度聴いてみてほしい。

 

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