蚊取り線香のブタをスピーカーに ⁉
夏の風物詩 蚊取り線香のブタ
先日、ビートルズのバスドラ型ランチボックスをBluetoothスピーカーへとRe-Bornさせたばかりだが、そのスピーカーで音楽を聴いていたときに、あるアイデアが浮かんできた。丸い筐体のトップに持ち手があるという共通点から、蚊取り線香の陶器を隣に置いて写真を撮ったのだが、それを見ているうちに“そうだ、こいつもスピーカーにしちゃおう!”と閃いたのである。
セラミックという理想的な筐体をどう活かすか?
陶器素材のスピーカーは、ちょっとしたブームのようだ。我がアカサカベースでも「サウンドケトル」という陶器素材のスピーカーを販売しているが、おかげさまで非常に評判が良い。実はスピーカーの理想的な形状は四角い箱ではなく球体である。内部が丸ければ音(空気)の乱反射を防いで濁りのないピュアな音が再生できるからだ。木のエンクロージャーは板の組み合わせて作られるが、陶器はろくろで作るため丸くするのは容易い。
陶器がエンクロージャーとして理想的なのは、適度に音を吸収してくれるところだ。木箱の場合だと、放たれた音は乱反射しながらバスレフ(空気穴)やホーンに向かって進むが、陶器の場合はなめらかな放物線を描いてスピーカー膜に吸収されていく。ほとんどが密閉式のため空気は一周して戻ってくるのである。戻ってきた音はスピーカー膜を透過して外へ出ようとする。この時に発生する空気圧が低音を増幅させるという仕組みだ。
口とお尻の2箇所ある穴を使って波動スピーカーに
ブタの陶器には、蚊取り線香の煙が前後から排出されるように、口とお尻の2箇所が大きく開いている。陶器スピーカーであれば、テールが丸くふさがった形が理想的だが、今回は2つの開口部を生かして波動式(円筒の前後にユニットを取り付けたスピーカー)とすることにした。
波動スピーカーについては詳しくはここで述べないが、空き地に置いてある土管内で発せられた音がワーム上に響く特性を利用したもので、両側のユニット背面の音同士を内部でぶつけ合うことで、空気圧を倍にして効率よく低音を響かせる構造のスピーカーのことである。
表面の口にあたる部分は固定してしまえば良いのだが、Bluetoothアンプを内蔵させるとなると電源の問題で内部にアクセスできる構造にする必要がある。そこで、ブタのテール部分ピッタリに木をカットして、ツマミを引っ張れば簡単に取り外せる構造にした。
当初、このツマミは金属製のハンドルを想定していたが、百均ショップへ行ってみると、丸い木のツマミを売っていたのでこちらに変更した。もちろん、ブタの尻尾をイメージしてのものだ。そして、細かい技ではあるがブタの目の部分には目の形をしたプッシュゴムをはめ込んだ。
ブタのBluetoothスピーカーにピッタリの名前とは
ブタのスピーカーといえば、ギターアンプの「ピグノーズ」が有名である。ボリュームツマミが豚の鼻の形をしているコンパクトなアンプだが、クィーンのブライアン・メイがレコーディングで愛用したことでも注目を集め、未だに根強い人気を誇るスグレモノだ。
かくいうわたしもピグノーズの愛用者であるので、敬意を込めてこの蚊取り線香ブタスピーカーには、「ピッグマウス&テール」という名前を付けることにした。
内部の配線とアンプの組み込みが終わって、想定通りのBluetoothスピーカーを完成させることができた。さっそくスマホから音を飛ばして撮影したのが以下の動画である。テールの板は同系色に塗ることにした。音源は、ジョージ・ハリスン作の「ピッキーズ」のデモ録音を流してみた。ピンクフロイドの「空飛ぶ豚」「ピッグス」も候補だったが、これは実際に演奏しながら公園を歩く時に流そうと思う。
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