Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨 アカサカベースでは、オリジナルの高品質なサウンドグッズ(スピーカー、アンプ等)、 トーマ・キャンベルがデザインした世界に例のないアイデアを活かしたメディアアートをはじめ、 大人の秘密基地にふさわしいアメリカ雑貨やコレクターズグッズなどをセレクトして販売しています。

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 7

練馬から送られてきた、まさかの手紙 少年Sは、警察にマークされるほどの札付きのワルだった。昨年だけでも2月、3月、6月に補導されており、保護観察処分の身であったが、実際にはその処分がおりてはいても有名無実化されて自由奔放に振る舞っていた。父親が白バイ警官だったこともあるだろう。1968年5月には、強盗容疑で昭島署に逮...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 3

3人によるはじめての秘密工作 Oを始めとする3人の入念な準備のうちに、4回目の多摩農協脅迫事件が1968年6月25日に実行されるが、その直前となる6月20日に府中火葬場の裏の空地にあったバス会社の小屋が放火されて全焼する事件が起こった。その翌日の6月21日には、多磨霊園のなかでツツジが焼かれる不審火も確認されている。...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 12

メンフィスでの3人の密談 翌日、ノエルは午後3時に「メンフィス」へと向かった。店内に入ると、少年Sがいつもの席に座って煙草をふかしていた。   店に入ってきたノエルを見て、Sは左手を上げて「よお!」と合図をした。ノエルは、オーナーにオーダーを告げて飲み物を受け取ると、Sの前の席に座った。  ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 8

八重歯がもたらした特殊な能力 ノエルの虫歯治療の件は、当然のことながらリチャードの耳にも入っていた。ただし、歯の詰め物に隕石が使われたことを彼は知らない。この件を話してしまうのは、CIAの守秘義務にも抵触するうえ、その在り処を執拗にGHQが追っていたことを思えば、誰にも話さないほうが身のためであることはキヨが一番良く...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 7

大切に保管されていた一欠片の隕石 キヨとノエルは、国分寺駅北口にあるY氏の歯科医院の前でタクシーを降りた。はじめてキヨがこの場所を訪れてから12年の年月が経つが、住宅が増えてはいるものの大きな変化はない。キヨとノエルは、歯科医院の門扉を開けて敷地内に入ると、玄関の呼び鈴を鳴らして院内へと入った。待合室には患者が2名座...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 6

はじめて経験した歯の痛み ある日、少年Sと一緒にヴィレッジの売店で買ったホットドックを囓っているとき、ノエルは左上顎の歯に違和感を感じた。ソーセージを噛んでいるとき、今までに感じたことのない、上顎全体に響くような痛みが伝わったのだ。そのことをSに話すと、彼はこう言った。   [caption id=...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 5

立川基地拡張計画の影で起こった日米間の摩擦 リチャード家が立川のアメリカンヴィレッジに住みはじめてから2年後の1957年7月、立川基地の滑走路拡張に向けて、特別調達庁東京調達局が周辺を強制測量をした際、基地拡張に反対するデモ隊の一部が、アメリカ軍基地の立ち入り禁止の境界柵を壊し、基地内に数メートル立ち入ったとして、デ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 4

ノエルの冒険 立川での新たな出会い キヨの実家では、姉夫婦の赤ん坊が10月に誕生した。山田家にとって念願の男の子である。義兄は結婚を機に務めていた会社を辞め、4月から実家の印刷会社の取締役に就任し、経営から家督までのノウハウを少しずつ伝授されていた。近い将来、父に代わって4代目の社長に就任するのは間違いない。姉夫婦に...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 3

立川基地にあったアメリカでの生活 キヨとリチャード、そしてノエルの3人は、立川基地(Camp Fincam)のアメリカンヴィレッジで揃って暮らすようになった。リチャードは、立川基地の滑走路を拡張して大型のジェット機が離発着できる軍事ターミナルの建設責任者として、その仕事に精を出していた。   [ca...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 2

山田家の跡取りをめぐるもう一つの芽 リチャードは、ノエルと久しぶりに会うことが出来て喜んだが、その日の帰り道に、ゆくゆくは息子を立川のアメリカンヴィレッジへと連れ帰りたいとキヨに話した。   キヨは、山田家がノエルを養子にしたことはリチャードには隠していた。もしそれを彼が知ったら、きっと怒り狂って養育権...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 1

第三章 立川基地での新生活と、愛息子との再会 キヨとリチャードは、4年間住んだワシントン郊外のアーリントンの自宅を引き払い、東京の立川基地にあるアメリカンヴィレッジへと引っ越しを済ませた。結婚から7年が過ぎた1954年10月のことで、キヨは32歳、リチャードは44歳になっていた。   二人とも立川基地...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第二章 – 16

ワシントン郊外から、キャンプフィンカムへ ワシントン郊外のアーリントンでの生活に戻ってから、キヨはCIA本部からの司令通り、米国務省での日本語教師の仕事に復帰し、忙しい日々を送っていた。しかし、ノエルのいない毎日は仕事にこそ集中はできるものの、魂の一部が欠けたようで、気持ちがすっきりと晴れることがない。  ...

Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨 アカサカベースでは、オリジナルの高品質なサウンドグッズ(スピーカー、アンプ等)、 トーマ・キャンベルがデザインした世界に例のないアイデアを活かしたメディアアートをはじめ、 大人の秘密基地にふさわしいアメリカ雑貨やコレクターズグッズなどをセレクトして販売しています。

〒107-0052 東京都港区赤坂7-5-46 #101

TEL:03-3584-0813

営業時間:13:00〜18:00
定休日:土日祭日

MAPを見る

Notice 工房へいらっしゃる場合は、事前にメールか電話で連絡の上お越しください。