クリス・レインボウ「Looking Over My Shoulder」

クリス・レインボウは1946年生まれのスコットランド人ミュージシャンだ。アラン・パーソンズ・プロジェクトやキャメルと関わったことでも知られるが、1975〜1979年にかけて3枚のソロアルバムを発売しており、今回紹介するのは1978年に発売されたセカンドアルバム「Looking Over My Shoulder」。

スコットランドのスカイ島に自分のスタジオを持っていただけに、一人多重録音によるコーラスが素晴らしいのだが、それもそのはず…このアルバムにはビーチボーイズとブライアン・ウィルソンに捧げられた「Dear Brian」「Blue Bird」をはじめハーモニーを重視したメロディアスな曲が惜しげもなく寄せ集められている。かの山下達郎もリスペクトしているほどの一人コーラスの第一人者であるクリスだが、彼のハーモニーは決して出しゃばることはない。曲の構成の一つとしてここぞという箇所に効果的に使われているからだ。

収録曲の多くが1977年の9月〜10月にかけて録音されたこのアルバムは、収められている10曲すべてがクリス・レインボウ自らのアレンジとプロデュースによる作品。高音質なアナログ盤はかなりレアだが、CDでも再発されているのでぜひ一度聴いてみてほしい。