Go Hat レコードを聴いてみよう♪ その1
存在そのものが“ご法度”な型破りレコード
世の中には、一般的にタブーとされるモノゴトに果敢にも挑戦する人々がいる。タブーを犯してチャレンジしたことが多くの人々の共感・称賛を得られることもあれば、単なる迷惑行為として批判されたり、最悪の場合逮捕されてしまうようなケースもままある。
ここでは、レコードにおけるそんな型破りの作品を“Go Hatレコード“と呼んで功績を讃え、その内容も含めて掘り下げてみたいと思う。
寺内タケシとバニーズ「レッツ・ゴー運命」
まず、紹介したいのは1967年に発売されて日本レコード大賞編曲賞を受賞した、寺内タケシとバニーズのアルバム「レッツ・ゴー運命」。このレコードが制作された経緯は、1965年のベンチャーズ来日をきっかけに日本中を席巻したエレキブームが発端だ。全国の中学校では、エレキを持つ少年たちに一方的に不良のレッテルを貼ってエレキ禁止令を出していく。報道でも大きく取り上げられ、次第に社会問題へとエスカレートしていった。
日本のエレキブームを加山雄三と共に牽引していた寺内タケシは、この禁止令に真っ向から立ち向かい、学校の音楽教育では定番とされる楽曲のみを取り上げて、1年もの歳月を費やしてアルバム制作に取り組んだ。この試みは、世界的に見ても前例のない壮大なチャレンジだった。
サイドA
1.運命
2.白鳥の湖
3.ペルシャの市場にて
4.熊蜂の飛行
5.ショパンのノクターン
6.剣の舞
サイドB
1.未完成
2.ハンガリー舞曲 第5番
3.カルメン
4.ドナウ川のさざなみ
5.ある晴れた日に
6.エリーゼのために
1967〜68年にかけて、このアルバムは史上空前の30万枚以上を売り上げる大記録を樹立する。エレキギター×3、ベース、エレクトーン、ドラムスの6名編成でも、クラシックの名曲を再現できることを実証してみせ、世のエレキアレルギーへのアンチテーゼとしたのだ。この成功は、本人たちを含めレコード会社関係者もしてやったりの大勝利だったと言えるだろう。
エレキをめぐる諸問題は、GS(グループサウンズ)ブームを迎えてさらに続くが、観客が失神することを売りにするグループの登場で見せ物化が進み、次から次へとGSが粗製乱造されて質が低下するなどの要因が重なってブームも終焉。流行はフォークソングに取って代わって、エレキ問題も一応の収束をみた。
そんな激動の時代に一石を投じた寺内タケシとバニーズのGo Hatレコードを、あなたも一度聴いてみてはいかがだろうか。寺内タケシの熱い思いが伝わってくること請け合いだ。
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