レコード洗浄の究極ワザ‼ 木工用ボンド編
痛みの激しいレコードを蘇生させる究極の技とは!?
レコードのカビなどは、食器用の洗剤と皿洗い用のスポンジで水洗いしてあげれば取り除くことができるが、古いレコードによっては、塩化ビニールの劣化がもたらすシャーッというノイズが全体を覆うように消えなかったり、薪ストーブから聞こえるようなプチッ…パチッというノイズが断続的に続いたり、という現象に悩まされることがある。
そんな時に試してみたいのが、レコードの片面パックだ。これとよく似た方法として、レコード面に液体を塗布してそれが固まったらパックを剥がすタイプのクリーナーがかつて売られていた。その名も“RECOPACK”という商品だ。この方法は効果テキメンで、どうしてもチリノイズがとれなかったアート・ペッパーの名盤「モダンアート」を、ものの見事に修復してくれたことがある。
中古盤の盤質がC−からB+へといっきにグレードアップしたような感じで、正にしてやったりの思いだった。ただし、この製品はそれなりに高額だったので、私はアプリケーター無しのボトルのみを買ってジェル上の液体を指で塗り拡げたのを覚えている。
木工用ボンドを使えば、手軽にレコードを片面パックできる!
今回、この片面パックを実施したのは、あるレコードを中古店で購入したのがきっかけだ。ハンガリー出身のギタリスト、ガボール・ザボのインパルス盤「スペルバインダー」である。盤面が傷だらけの状態のため200円で売られていた。このアルバムには、映画「キル・ビル」のオープニングに使われたナンシー・シナトラの「Bang Bang」と同じ曲が収録されており、オリジナルであるCherの楽曲も含めてベストチューンと言っても良い出来なのだ。
ジャケットも含めたあまりの痛みのひどさからすると、今はなきジャズ喫茶「マサコ」あたりで使われていたレコードではないか・・・そんな推測までしてしまうくらいの状態だったのである。そこで、わたしが行ったのが、伝家の宝刀であるレコードパックによる蘇生術だ。
木工用ボンドが手元になかったので、今回は惜しげもなくタイトボンドを使ってみた。木工品の接着力にかけては、コニシの木工用ボンドを遥かに凌ぐスグレモノだ。盤面にまんべんなくボンドを塗り終えたら、2時間ほど自然乾燥させるとボンドが透明になるので、固まったボンドの端から剥がしていけば良い。
きれいに剥がし終えたら、レコードを食器用洗剤で水洗いしてボンドを取り除いて完全に乾かせたら、このクリーニングはすべて終了だ。レコードを再生してみると、チリノイズは全体的に軽減されて音がクリアになっているのを確認することができた。究極のクリーニング法ではあるが、盤面に刻まれてしまった深い傷までは取り除くことはできないので、その点は承知の上でトライしてみてほしい。
前出の「モダンアート」では、レコードを完全に蘇らせることができたので、盤面の痛み方がどの程度なのかを確認した上で片面パックを行うのがいいだろう。目視でハッキリとわかるような傷は無いけれど、シャーッという劣化ノイズや、微細なチリが原因のプチノイズなどには効果大である。気になるレコードが手元にあるなら、今すぐやってみよう!
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