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ウォーホルのマリリン額装プロジェクト その3

ステラの絵をヒントに額のカラーリングを施す。参考にしたのは

今回の額のカラーリングは、当初から赤にすることに決めていた。それも、アクリルペイントで光沢のある塗料をイメージしていた。その考えが変わったのは、あるギャラリーで木目を生かした黄色の額を見てからのこと。木目を残すなら水性のステインで染めていけば良いので、失敗する率も低くて作業も簡単だ。

 

また、いろいろな額を見ていると、額の内側や外側に装飾が付いており、2層、3層になっていることに気がついた。まずは内側の飾り木となる扇状木材をカットして並べてみると、同じ赤ではせっかくのレイヤーが目立たず、額が太く見えて絵とのバランスが悪くなってしまう。ちょうどその頃、中古で買ってきたレコード(「紫」の12インチシングル「FREE」)のジャケットが、黄色と赤を組み合わせた夕陽だったこともあり、この配色にも触発されて内枠は黄色にすることに決めた。

 

紫は、1070年代に活躍していた沖縄出身のヘビーメタルバンド。沖縄の米軍基地で演奏していただけあって、実力は保証済みのバンドだ。ディープ・パープルのカバー曲でも有名で、バンド名もパープルからとられている。当時では珍しい12インチシングル。

 

グラデーションを描くとき、外枠の色はどうするか

フランク・ステラの作品「ダブルスクランブル」を見ると、実に12色もの色を使った枠が連なっている。中心が「紫」で始まった色は、中間色を経ながら「青」「緑」「黃」「オレンジ」「赤」へとグラデーションを描き、最後にふたたび「紫」となって終わる。反対側はまったく逆の配列で、「紫」から始まった色は「赤」「オレンジ」「黃」「緑」「青」と続いてふたたび「紫」で終わっている。

 

 

この2つのカラーリングを比較すると、まったく同じ色を使っていながら、より大きな面積を占める色の印象が強く残り、それが全体色の印象を決定づけていることがわかる。左側のレイヤーは「青」、右側のレイヤーは「赤」の印象が強い。ステラの「ダブルスクランブル」には12色のカラーが使われているが、わたしの作っている額はわずかに3層だ。「7色の虹」と言われることからもわかるように、3色ではなめらかなグラデーションを描くことはできない。それならば…中間色を省いていくしかない。そこで、外枠の色として選んだのは「青」だった。

 

 

外枠の扇木に、青の水性ステインを重ね塗り

カラーリングが決まったら、あとは塗るだけである。いや、本当は塗るだけではないのだが、まずは青に塗らなくては始まらない。青の水性ステインを何度も重ね塗りしていくと、塗料がもつ本来の艶が出てくることが分かった。いつもは、数回塗り重ねてからワックス処理をしていたので、ここまで塗り重ねで艶が出るというのは新しい発見である。

 

 

塗り重ねたほうが色が鮮明になることが分かったので、本体枠にも赤のステインを塗り重ねてみた。やはり結果は同じで塗り重ねるほど艶が出るのは同じである。ボンドが滲み出て塗装がのらなかった箇所も、何度も塗り重ねることで接着剤と染料が溶け合って同化していくことが分かった。

 

塗料が完全に乾いたら、次は外枠の接着作業だ。タイトボンドを適量付けて額に貼り付けるのだが、これがなかなか簡単ではない。クリップではさむと、力が加わりすぎて接着位置が微妙にずれてしまうのだ。この場合は、ボンドがすこし硬化してから行なったほうが良さそうだ。

 

黄色にペイントした内枠を取り付ける

さて、額の制作もいよいよ大詰めである。事前に黄色にペイントした内枠の取り付けである。外枠を取り付ける際にはタイトボンドを使用したが、接着する際に木の歪みなどによって誤差が生じること、内側の場合、はみ出たボンドの処理が難しいことなどを考慮して、内枠は両面テープで接着することにした。

 

 

内枠の取り付け後、額全体にクリアー塗装を行う

内枠の取り付けは両面テープで行ったが、これは正解だった。内枠は額本体にピッタリとはまる寸法に切ってあるため、両面テープで四辺を貼っていくだけで作業は終了。はみ出たボンドの後処理をすることもなくきれいに接着することができた。3層の額が完成したあとは、水性のクリアー塗装を施すことにした。水性ステインだけでは被膜が弱く、すこしぶつけただけでも色が剥げてしまうためコーティングで被膜を守る必要があるのだ。

 

 

このクリアー塗装によって額全体に艶が出て、アクリルペイントのような仕上がりになった。しかも、木目を消すことなく艶が出るので、金属フレームにはない高級感も漂っている。

 

 

最後に、キャンバスを固定するトンボを取り付けて額装が完了

クリアー塗装が完全に乾いてから、キャンバスを取り付けてみた。ウォーホルのマリリンとの相性もなかなか良い感じだ。最後の工程でキャンバスを額に固定する鉄製のトンボを取り付けた。上下に6箇所トンボを付けることで、キャンバスと額をしっかりと固定することができた。これで、すべての作業が終了した。あとは、完成した絵を設置するだけである。

 

額装が完成して、1階の工房から2階の住居へとエレベーターで運ぶ際に撮った写真。殺風景なエレベーター内やマンションの玄関ホールにも、こうした絵が飾ってあっても良いなと思った。

 

手作りだけに愛着の感じられる額が完成。3色のフレームも鮮やか

部屋の壁に飾ってみると、殺風景だったモノトーンの壁がカラフルな額とマリリンの絵の印象でガラリと雰囲気が変わった。とくに3色のフレームの印象は強く、ウォーホルのマリリン画をステラ風の額で囲うという狙いはイメージ通りに完成させることができた。今回の額制作にかかった費用はおおよそ6,500円。キャンバスの制作と合わせても1万円以内だ。この予算で好きな色にカラーリングできるのであれば、額の制作もなかなか楽しいのではないだろうか?

 

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