裏シティポップ街道を行く 〜シティポップの隠れ名盤〜 その11
五十嵐浩晃「NORTHERN SCENE」
「NORTHERN SCENE」と題されたこのアルバムは、北海道のローカル線を遠目に見た写真と夕陽の海岸という2枚の印象的な風景写真の前に五十嵐浩晃が佇んでいる印象的なカバーデザインに彩られている。これは1980年5月に発売された彼の1stアルバムで、同じ年の11月には3枚目のシングル「ペガサスの朝」が売上50万枚以上のヒットを記録し、北海道のローカルミュージシャンから一躍全国区のアーティストへと昇格を果たしていく。
全曲の作曲を本人が手掛けている他、アレンジを担当したのは元はっぴいえんどの鈴木 茂で、サウンド的には鈴木の影響が非常に強く、全編が上質なポップミュージックに仕上がっている。バックを支えているのは、林 立夫(ds)、後藤次利(b)、鈴木 茂、今 剛(g)、斎藤ノブ、ペッカー(per)、ラジ(cho)等々の豪華な面々で、その無駄のない伴奏が五十嵐のポップチューンを最大限に引き立てている。
スマッシュヒットを飛ばした「愛は風まかせ」をはじめ、全体的にウエストコーストサウンドを思わせるアレンジが編まれており、鈴木による軽めのディストーションがかかったギターソロも冴えわたっている。アップテンポの曲あれば、メロディアスなバラードもありで構成もまとまっていて飽きさせない。
昨今のシティポップブームからは取り残されている感の否めない五十嵐浩晃ではあるが、鈴木 茂がアレンジで全面的に参加しているこの1stと2ndの「ナチュラルロード」は、楽曲の良さに加えてセンスの良いアレンジが光っており、いま聴いても古さを感じさせない粒ぞろいのアルバムだ。昔からのファンにはもちろんだが、新しい若い世代にもぜひ聴いてほしいシティポップの隠れた名盤である。
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