クロスオーバーカフェへようこそ♬ 心地良いアルバム その4
高中正義「ベストセレクション All Of Me」
ここ数年、海外での評価が急速に高まったことで、逆輸入的に日本でも再評価されているのが、スパーギタリスト高中正義だ。中古レコード市場では、キティレコード時代の初期アルバムの人気が鰻登りで、なかでも1976年のデビューアルバム「SEYCHELLES」から、1978年の「BRASILIAN SKIES」までの4枚から選曲された2枚組ベスト「All Of Me」の人気が沸騰している。
これら初期の録音では、サディスティック・ミカ・バンド時代から使っていたフェンダーストラトキャスターから発せられる歪みの少ないクリアな音が中心で、バンドアンサンブルも見事に彼のギターと調和しており聴いていて実に心地良い。ハイライトはSide4の1曲目に収められている「SEXY DANCE」で決まりだ。
この曲は、リー・リトナー、ハービー・メイソン、エイブ・ラボリエル等、豪華ゲストを迎えて録音されているが、ジョージ・ベンソンの「BREEZIN’」ばりに陽気なブライトトーンが炸裂したかと思うと、リトナーによる軽いディストーションがかった気持ちの良いギターソロ、それを受けるかたちで高中のハイテンションなギターソロへと続き、最後は短いリフの応酬になったところで徐々にフェードアウトしていくという流れだ。
この他にも、このアルバムには粒ぞろいの佳曲が揃っているが、中期以降の高中サウンドに見られる枯れたディストーションの音色は影を潜めている。しかし、そのことがかえって耳あたり・聴き心地の良さを喚起させ、時代と国境を越えて世界中のリスナーの心を掴んでいるのではないだろうか。ミュージシャンから始まって、その後アーティストへと成長していくその活躍ぶりをリアルタイムで見聞きしてきたわたしにも、最近の高中ブームには驚きを覚えると同時に一種の喜びも感じてしまう。
今年の夏は、エアコンの効いたクルマのなかでこのアルバムを聴きながら、避暑地へ向けてドライブしてみようと思う。運転席から眺める青空、山並、入道雲、パースペクティブな道、自然、街などのすべてがBGMと渾然一体となって、心地良さをMAXまで盛り上げてくれるに違いない。
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