ムーディーレコードの誘惑 第9話
フォー・キング・カズンズ「Intoroducing…」
まず、ジャケットがイイ。1969年の発売なのでちょうどアポロ11号が月着陸に成功したのと同じ年である。翌年には大阪で万国博覧会が開かれるが、各パビリオンにはこうした近未来的なコスチュームを着たホステス(当時はコンパニオンではなく、そう呼ばれていた)がいて、アテンドやMCを行っていた。そんな70’sフューチャーを感じさせるモンドなアルバムカバーが秀逸だ。
その正体は、従姉妹同士で結成されたフォーキーガールズ4人組
はじめてこのジャケットを見たときは、セレブなママ友同士で組まれたコーラスグループを想像したのだが、4人のブロンドガールはすべて従姉妹同士らしい。キング・ファミリーは戦前からアメリカのミュージックシーンで活躍していた芸能一家で、1965年1月からABCテレビで始まった 「キング・ファミリー・ショー 」 で歌や踊りを繰り広げていた。そこから派生したのが、このフォー・キング・カズンズというわけだ。
バカラックなどのヒットチューンをフォーク・ロック風にアレンジ
さすがにテレビショーで鍛えられているだけあって、歌やコーラスワークは抜群。息のあったハーモニーを聴かせてくれる。曲を聴いていると、彼女たちが歌いながらダンスしているシーンが目に浮かぶようだ。日本のテレビショー「シャボン玉ホリデー」をもっとおしゃれにしたような、歌ありダンスありコメディありの人気番組だったに違いない。
レコードに針を落とした途端に、心が癒やされる音楽というのは確かに存在するもので、オリビア・ニュートン・ジョンの澄んだ歌声などはその代表格だが、このフォー・キング・カズンズも捨てがたい。胸躍るような浮遊感とでも言おうか…なぜかワクワクした気分にさせてくれるのだ。この感覚は、海外旅行へ旅立つときのロビーにいるような高揚感に近い。
ロビーの快適なソファでくつろいでいると、キラキラと輝いている金髪のキャビンアテンダントたちが、微笑みながら颯爽と目の前を通り過ぎる。そう、それがこのフォーキーガールズ4人組なのだ……そんな妄想まで浮かんでしまう、ジャケ良し・中身良しの二重丸レコード。さあ、あなたもこれを聴いて、心をトリップさせてみてはいかが?
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