懐かしのフォーティファイブ 45rpm 第9話
ヴィッキー「悲しき天使」
ヴィッキーが歌う「悲しき天使」は、1968年に日本とカナダで発売された。日本ではメリー・ホプキン盤とほぼ同時期に発売され、互いにヒットチャート40位以内(メリー盤:3位 ヴィッキー盤:36位)に入るヒットを記録している。
ヴィッキー盤の特徴は、歌詞がフランス語であること。彼女の出身はギリシャであり、民族楽器的な響きを持ったアレンジには、どことなくエーゲ海やアテネの街並みを思わせる哀愁を感じさせるのが魅力だ。本名のヴィキ・ヴァシリキ・レアンドロス・パパサナシューという名を聞けば、同時期に『エンド・オブ・ザ・ワールド』をヨーロッパでヒットさせていたアフロディテス・チャイルドの主要メンバー、ヴァンゲリス・パパサナシューのことを思い浮かべる人もいるだろう。
この名前は、ギリシャでは一般的な苗字で、数的にも33位にランキングされていることから、二人の間には血縁関係など無いのだろうが、同時期に海外でヒットを飛ばしていた同じ苗字のギリシャ人ということで、本国ではちょっとしたエピソードになっているのではなかろうか。
さて、このヴィッキー盤「悲しき天使」は、本人の歌唱力が見事に生かされており、ギリシャの民族音楽的アプローチが功を奏して多国籍な情緒を生んでいる。歌詞に出てくる酒場は、さながらアテネの白い街並みに古くからある居酒屋といったところだろう……ヴィッキーの歌は、そんな情景が浮かんできそうな熱唱となっていて、もちろん伴奏も然りである。
フォーティファイブ(シングル盤)を2枚用意して、メリー・ホプキン盤と聴き比べてみるのも楽しいかもしれない。英語とフランス語という違いはあるが、それぞれに良さがあるので甲乙つけがたい。ちなみに、日本では森山良子が日本語で同曲をカバーしていて、こちらも37位にチャートインするスマッシュヒットを記録している。日本語で聴きたい方はこちらもチェックしてみてはいかがだろうか。
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