JukeJointオリジナル スピーカー付き看板❣
日焼けして色褪せてしまった看板をRe-Born❣
この看板は、元々はアメリカのビール「Old Milwaukee」の店舗用看板で、アール・デコ調にデザインされたコルトンボックスに2灯のランプが仕込まれているという、なかなか凝ったつくりがされている。ライトを点けるとビールの広告が浮かび上がるだけでなく、外枠のフレーム全体に光がまわってアール・デコ調の文様が浮かぶという、ビールの高級感を高めるのに一役買った看板のひとつなのだろう。
今から4年ほど前に、ビールやウイスキーのビンテージ電飾看板を専門に扱うショップから購入したこの照明器具は、アカサカベースのパティオを飾るネオンの一つとして大活躍してくれた。ネオン管のような綺羅びやかさは無いが、ほんのりとした暖色のランプが温かみを感じさせてくれるスグレモノであった。
南の直射日光を浴び続けた結果、3年でひどい退色が進む
アカサカベースのパティオは南側にある。配電と降雨の関係で飾る場所が南面にならざるを得なかったこともあり、秋の斜光をもろに受けたこの電飾看板は、3年後にはすっかり退色してしまい、当初の輝きはすっかりと失せてしまった。
ある日、この廃棄寸前の看板を眺めていると、あるアイデアが浮かんできた。構造がコルトンボックスならば、表面のフィルムシートさえうまく剥がせれば、オリジナルの看板を作ることができるのではないか……? さっそくフィルムシートに刃を入れてみると、何とカンタンに剥がれるではないか!
コルトンボックスの厚みと空洞を活かして、Bluetoothスピーカーに改造
コルトンボックスは、電球の交換が行えるように背面から内部にアクセスできる構造になっている。どうも照明が暗いなと思っていたら、案の定片方の球が切れていたのでこれは新品と交換。次に、Bluetooth内蔵アンプの組み込みだ。コルトンボックスは熱が籠もらないように通気孔が開いている。この穴を利用して、スイッチを外から押せる位置にアンプを固定した。
フィルムシートの寸法を測って絵柄をデザイン、版下を作る
音楽が聴けるコルトンボックスということで、すぐに頭に浮かんだのは華やかなジュークボックスだ。そこで、アカサカベースの姉妹店であるジュークジョイントの看板を作ることで方向性は定まった。ちなみに、JukeJointとは、アメリカ南部にあるミュージックバーのことで、古くはブルースの生演奏が行われた居酒屋のことを指すスラングだ。
ジュークボックスの写真をベースに、文字と記号をレイアウトして完成させたのがこのデザイン。
10セントで45回転のシングル盤が1曲聴けた、往年のジュークボックスを偲んだ絵柄にしたつもりだ。南部のジュークジョイントが着想の元になっているので、ここから流れる音楽はブルース、ジャズ、R&B等の黒人音楽がメインであるとの表記を入れた。“PARENTAL ADVISORY EXPLICIT LYRICS”とは、子どもを持つ親への警告で、歌詞の一部に卑猥な表現が含まれるという意味のマークだ。
看板プリントを手掛けるラボに、業務用塩ビシートを注文
コルトンボックスと言っても一般的にはピンとこないだろうが、身近な例をあげるなら“JRや地下鉄の駅構内に飾られている大型のADボード”といえば思い当たるだろう。わたしは、広告プランナーを生業としてきたので、セールスプロモーションやイベントなどのOOH(Out of Home=屋外媒体)も何度か手掛けたことがある。つまり、手の内を知っているのだ。
版下の入稿と発注から数週間して送られてきた塩ビシートをコルトンボックスに貼る。実は、この作業が一番難しいのは、初期のスマホ用キズ防止シートを貼ったことのある人なら分かるだろう。どんなに上手く貼ったつもりでも、わずかな気泡が入ってしまい貼り直しをした経験は誰にでもあるのではないだろうか。
上の写真が、塩ビシートを貼った状態のRe-Bornされたコルトン看板だ。Old Milwaukeeとはまったく違うプロダクトに変身しているのがわかるだろう。前の看板との一番の違いは、Bluetoothスピーカーとしても使うことができる点だ。スピーカーの音を明瞭に響かせるには、音の出口(空気孔)をできるだけ開ける必要がある。そこで、ドリルを使ってスピーカーの対角線上に9つの穴を開けた。
構造上、重低音は望めないものの、小型のラジカセ程度の音は聴くことができる。電飾看板の光と合わせて音響と照明が同時に味わえるサウンドグッズが新たに誕生した。
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Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨
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