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アカサカベースの廃盤アワー 第5話

「燃えよドラゴン」オリジナル・サウンドトラック

アカサカベースの廃番アワー 第5話では、ブルース・リー主演の「燃えよドラゴン」のサントラ盤を紹介したい。1973年に公開され、世界中で大ヒットを飛ばしたカンフー映画だが、このサウンドトラックを手掛けたのが、数々の映画音楽で知られるラロ・シフリンだ。

 

 

「スパイ大作戦」「0011ナポレオン・ソロ」などのTVシリーズや、「ブリット」「ダーティハリー」の映画音楽ですでに名を知られていたシフリンだが、「燃えよドラゴン」がそれまで彼が手掛けた作品と異なるのは、当時まだマイナーだったカンフー映画であること。

シフリンにとってこの仕事は新しいチャレンジだったに違いない。しかし、この作品はシフリンを代表する名曲となって、映画音楽として歴史に残る傑作となったのである。

 

 

このサントラなくして、映画の大ヒットはなかった!

主題曲では随所に、東洋的な音階やブルース・リーの肉声を織り交ぜながら、非常に印象的なスコアを編み上げている。特徴的なのは、主旋律を奏でるアナログシンセに、ソウルフルで軽妙なエレクトリックピアノ。東洋的でありながら、ジャズやソウルのエッセンスを加味させた絶妙なアレンジだ。

エレキギターのトレブルを効かせたトーンに、シンプルなベースラインは、シフリンが得意とするスパイものアクション映画ではおなじみの音だが、そこに東洋的な音階やオーケストレーションを見事に調和させ、映画のスリル感を最大限に引き出すことに成功している。

レコードを聴いていると、映画の名場面がつぎつぎと浮かんできて、さながら肉体によるヴァーチャル・リアリティを体感できる、サウンドトランクの傑作である。

 

友人宅ではじめて体験したステレオサウンドがこれだった

わたしにとって、「燃えよドラゴン」の主題曲には特別な思い出がある。当時中学生だったわたしが家で使っていたのはナショナルのラジカセで、それで十分満足していたのだが、ある日、学校帰りに友人宅で「燃えよドラゴン」のシングル盤をステレオ装置で聴かせてもらったのだ。

 

 

ラジカセとは次元の異なる迫力に、わたしは圧倒された。それは、コロンビアが出していた入門的なステレオ装置で、プレーヤーとアンプは一体型、そこにスピーカーを左右に置くタイプのものだった。いま思えば、安価なステレオだったのだが、その装置で聴いた「燃えよドラゴン」は強烈な印象を残し、それ以来、このシングル盤は当時わたしのステレオ試聴用レコードとして重宝したのだった。

 

それから1年後、わたしの部屋には親に買ってもらったテクニクスのシステムコンポが置かれることになるのである。

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