アカサカベースの廃盤アワー 第7話
テディ池谷クインテット「THE BEATLES SONG BOOK」
アカサカベースの廃盤アワーが今回紹介するのは、副題が「ビートルズ名曲集*ファンタスティック・ピアノ・ムード」という、いわゆるイージーリスニングもの。そう聞いて、興味を失ってはいけません! このアルバムは、イージーリスニング界の草分けである、テディ池谷クインテットとゴールデン・ポップス・ストリングスが組んだ、ジャパニーズラウンジの名盤なのだ。
砂浜でラブラブな男女 すべてはジャケ買いのため?
タイトルが「ビートルズソングブック」で、このジャケットを見たらもう、買わないわけにはいかない。イージーリスニングのレコードには、思わずジャケ買いしたくなるものが一杯ある。とくに多いのが白人女性がセクシーなポーズで誘惑してくるパターンだ(笑)。
わたしの場合は、中古レコードでこうした物件と出会ったときは、想像する中身とジャケットを秤にかけて、たとえ中身がイマイチでも、これだけジャケットが良ければそれで十分!と判断したときに買うようにしている。大抵は人気薄のため非常に安く売られているケースがほとんどだ。
さて、問題の中身はどうだったのか?
このようにジャケ買いしたレコードというのは、真っ先に聴きたいものだ。複数枚買ったときは必ずジャケ買いしたものから聴くのがわたしの習慣だ。一聴して、これはただのイージーリスニングではないことがわかった。テディ池谷クインテットは、ジョージ・シアリングを思わせる流麗なジャズピアノがメイン。それに、ゴールデン・ポップス・ストリングスによる軽やかな弦楽器が加わるかたちなのだが、とにかくアレンジが秀逸でJAZZYなピアノを囃し立てるようなストリングスがなんともスマートなのだ。
昭和のイトーヨーカ堂にいるようなノスタルジア
このレコードを聴いていると、小学生のころによく行ったイトーヨーカ堂を思い出す。そう、店内には必ずと言ってよいほどこうしたイージーリスニングがBGMとして流れていたのだ。当時のイージーリスニング界には、ポール・モーリア、パーシー・フェイス、ミッシエル・ルグラン、フランシス・レイ、ニニ・ロッソなどがいて、レコードもそれなりにヒットしていた。
テディ池谷クインテットとゴールデン・ポップス・ストリングスのこのアルバムは、昭和のノスタルジアがつまった宝箱だ。ビートルズのポップな楽曲が、哀愁の黄昏サウンドになって切なく響く。昭和40年代の商業空間にタイムスリップしたいなら、あなたもジャパニーズラウンジでトリップしてみてはいかがだろう?
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