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ロックのポスターデザインを考察する -その1

写真集「THE ART OF ROCK」からデザインを紐解く

日本のバブル期に刊行された大型の写真集、しかも1950〜1980年代に開催されたロックコンサートに的を絞って、その告知ポスター、チラシをヒストリカルに並べるという、気の遠くなるような作業を経て出版されたのが「THE ART OF ROCK」である。この写真集は、1990年頃に一緒に仕事をしていた先輩デザイナーの事務所で見かけて知っていた。今回、ある著名なクリエイティブ・ディレクターの方から同じものをいただいたので、その一部を紹介したいと思う。

 

1950年代のコンサート告知

ロックコンサートの宣伝用ポスターとして最初期にデザインされた、エルビス・プレスリーのコンサート告知(左 1956年)。前座の出演者と開催場所、日程が簡潔にデザインされている。そして、ロック映画「Don’t Knock The Rock」のロビーカード(右 1956年)。こちらは、ダンス音楽として誕生したロック・ミュージックを恋愛ストーリーと絡めてニュースフィルム風に紹介するモノクロ映画だが、まもなく主流となるカラー映画のような配色が特徴。

 

 

 

アメリカン・フォーク・ブルース・フェスティバル

こちらは、1965年に開催された「アメリカン・フォーク・ブルース・フェスティバル」のポスター。アメリカンルーツ・ミュージックを紹介するヨーロッパ向けの宣伝ポスターということもあり、アーティストをメインにするのではなく、ヴィンテージのアコースティックギターに写真をコラージュしたシンプルなデザインにまとめている。

 

 

ボブ・ディランとビートルズの公演ポスター

1960年代になると、ロックがポピュラー音楽の中心となる時代に入る。この時代には、アーティストをメインにした、より簡潔なデザインが増えてくる。ボブ・ディランのポスター(1964年)は、告知の基本である5W1Hを文字で伝えつつ、単色でありながらシンプルにコンサートの要項(場所・時間・価格)が美しくレイアウトされている。一方で、ビートルズのポスター(1963年)は、あくまでアーティスト写真がメインで、公演場所は小さく下に入っているのみ。こちらはおそらく公演日程が決まらない段階でティザー告知用に刷られたものだろう。

 

 

 

サイケデリック・ムーブメントが色濃く反映された時代

1965年から1971年にかけては、若者の間に広まっていったドラッグと反戦運動、そのシンボルとしてロック・ミュージックが支持されたことで、サイケデリックなファッションや、LSDなどの幻覚症状をビジュアル化した文字やイラスト、派手なカラーリングのデザインが流行する。中でも、全米をツアーして回ったグレイトフル・デッドのコンサートポスター(左 1969年)には、非常に凝ったものが多く、コンサートの内容も舞台セットが毎回変わり、演奏曲も即興のため2度と同じ曲はやらない方針だったため、ポスターへのこだわりも半端ではなかったのが分かる。

 

 

 

レコードよりライブをメインに活動したバンド

サイケデリック・ムーブメントの時代に、レコードよりライブイベントを活動のメインにおいていたバンドとしては、前出のグレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレイ、バターフィールド・ブルースバンドなどがいる。彼等はライブでもよく共演しており、そうしたセッション的要素の強いバンドが集まるフェスには、決まってサイケデリックなデザインが採用されている。

 

とりわけ、グレイトフル・デッドについては、1965年〜1995年にわたって数え切れない回数のライブを行っており、そのアートワークだけを集めても数冊の写真集ができてしまうほどにその世界観は完成されており、サイケデリックという一過性の流行を超越した独自の様式を確立したといっても過言ではないだろう。

 

  

 

ロックの歴史に残るウッドストック フェスティバル

1969年8月には、ニューヨーク州のサリバン郡で大規模なウッドストック フェスティバルが開催される。正式には「ウッドストック ミュージック&アート フェア」と題されたこのイベントには、3日間で40万人もの観客を動員するかつてない規模の歴史的なコンサートになった。

ウッドストックに関しては、映画やレコードを含めた事後パブリシティの反響があまりにも大きかったため、観客として集まったヒッピーたちの姿がすぐに思い浮かぶが、実際のポスターはごくごくおとなしい無難なデザインが採用されていたのが面白い。

 

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