ムーディーレコードの誘惑 第12話
セオドア・ビケルとシンシア・グッディング
「A Young Man and a Maid Sing Love Songs Of Many Lands」
この、恐ろしく長いタイトルのアルバムは、歌手であり俳優でもあるセオドア・ビケルと女性フォークシンガーのシンシア・グッディングが共演した作品で、翻訳すると「青年と乙女は、多くの国の恋歌を歌う」となる。このレコードを中古店で見つけたわたしは、一応試聴させてもらうことにした。
世界のフォルクローレをギター伴奏のみで綴った恋歌アルバム
ヘッドホンから聴こえてきたのは、ギターのみの伴奏に男女のヴォーカルがかけ合うという渋い音楽。ジプシー調、メキシカン調、フラメンコ調と色々あるが、すべてシンプルなアレンジによる民族音楽に徹しているのは一貫したコンセプトによるところが大きいに違いない。
あらためてアルバムカバーを眺めてみると、上半身裸の女性がすりガラスの向こう側で両手を上げているのだが、その手に覆われるように浮かんでいるリンゴだけハッキリと写っているというデザインだ。アップルのかたちをハートマークになぞらえて“恋歌”を表現したのではないかと推測するのだが、もしそれが事実なら、このアルバムには並々ならぬ情熱が込められているのは間違いない。
しかも、この年代(1956年)にしては珍しく、付録としてこのアルバムに収録された曲の歌詞を綴った冊子まで付いているのである。冊子には、Copyright 1956, by : ELEKTRA RECORDSの表記がされており、丁寧にタイピングされて印刷されているのがわかる。巻末には、録音時のテクニカルデータまで載っているので参考までに記すと、アンペックスのテープレコーダーに、テレフンケンのM-221、ノイマンのU-47 コンデンサーマイクを使って録音されたとある。
Youtube動画にもアルバムの再生リストがあったので、リンクを以下に貼っておく。ギター伴奏をバックに世界の民族音楽を歌うセオドア・ビケルとシンシア・グッディング。この二人の臨場感ある歌声を聴いてみたい方は、どうぞ下記からご覧ください。
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