オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 7
練馬から送られてきた、まさかの手紙 少年Sは、警察にマークされるほどの札付きのワルだった。昨年だけでも2月、3月、6月に補導されており、保護観察処分の身であったが、実際にはその処分がおりてはいても有...
練馬から送られてきた、まさかの手紙 少年Sは、警察にマークされるほどの札付きのワルだった。昨年だけでも2月、3月、6月に補導されており、保護観察処分の身であったが、実際にはその処分がおりてはいても有...
犯行のリハーサル中に浮かんだある秘策 多摩農協への5回目の脅迫が行われた1968年7月25日、ノエルと少年Sは前回と同様に9時10分頃に日本信託銀行を出た現金輸送車をクルマで追尾した。銀行を出た黒い...
脅迫文とテレタイプの奇妙な符合 1968年6月に起こった横須賀線爆破事件は、日本の警察だけではなく、アメリカ大使館をはじめ在日米軍にとっても無視できないものだった。なかでも、この犯行を全学連などの過...
緊張から解き放たれた色恋のひととき センパイOは、無線機のボリュームを上げた。間もなくして、警察無線の司令室らしき場所からの声が聞こえてきた。 ー「警視庁から府中署、応答願います」...
3人によるはじめての秘密工作 Oを始めとする3人の入念な準備のうちに、4回目の多摩農協脅迫事件が1968年6月25日に実行されるが、その直前となる6月20日に府中火葬場の裏の空地にあったバス会社の小...
突然起こった列車爆発事件 ノエルと少年S、センパイOがクルマから多摩農協を視察したのと同じ1968年6月16日、世間を騒がせる事件が起きていた。横須賀線電車爆破事件である。横須賀線の上り列車、横須賀...
第四章 スカイライン2000GTに残された賭博師の影 ある日、センパイOに呼ばれたノエルとSは、Oを迎えに府中の東京競馬場近くの喫茶店「チェリー」へとクルマで出かけた。ノエルとSは、小金井市本町の...
ひとときの青春時代を過ごす ゴーゴー喫茶で飲み明かした6人(グループの4人に少女2人を加えたメンバー)は、まだ薄暗い早朝に店を出た。全員が酔っていたが、とくに少女の2人はまともに歩ける状態ではなかっ...
小さなヤマのあとの美酒に酔う 次の日曜日、ノエルと少年S、グループのKとHの4人は、立川のジャズ喫茶の前で落ち合うと、夕方の時間にスーパーIYへと向かった。発煙筒はHが持ってきたものと合わせて2本あ...
消えた謎の指示書と発煙筒 賭博師Oは、公園である男と会っていた。身なりのしっかりした中年男性で、黒の中折れ帽を被っている。Oとその男性は、公園の同じベンチに腰掛けながら話をしていた。共に、相手を見る...
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