アカサカベースが選ぶ、秘蔵の名盤 第15話
SAMMY DAVIS,JR. sings LAURINDO ALMEIDA plays
今回紹介するのは、夕陽の海岸を飛ぶカモメのジャケットが印象的な、サミー・デイビス・ジュニアとローリンド・アルメイダによる1966年録音のデュオアルバム。このレコードは、わたしの行きつけのジャズ喫茶「ボロンテール」のマスターに聴かせてもらって知ったもの。
サミー・デイビス・ジュニアというと、昭和世代にとっては1973年に放送されていたサントリーホワイトのCMでお馴染みだ。エンターテイナーであるサミーの印象は、どちらかといえばソウルシンガーばりにノリノリで歌っているイメージが強い。しかし、ローリンド・アルメイダによるギター伴奏のみで録音されたこのアルバムは、ジャズシンガーとしてのサミー・デイビス・ジュニアの魅力が凝縮された素晴らしいものだ。
陰影に富んだややハスキーなサミーの声と、決して目立たずに伴奏に徹するアルメイダのギターは、絶妙の相性をもって聴くものを極上の世界へと誘ってくれる。このようにギター1本で歌唱ができるシンガーというのは、本当に実力のある人でないと覚束なくなるものだ。とくに、アルメイダのギターはフォークソングのようにストローク中心ではなく、弦を軽く指で爪弾くようなタッチなので、歌唱の手を抜いたりごまかしたりできるような隙がない。
まるで1本の糸でシルクのような手触りの布を編んでいくような、歌とギターのインタープレイが一枚のレコードに美しく収められている。レコードジャケットの裏側には、The Results are Incomparableと書かれているが、その言葉どおりに比類なき歌と演奏を聴くことができる至極のアルバムがこれである。
すこし余裕のあるときに、ゆっくりとこのレコードを聴いてみてほしい。きっと、海辺に佇む別荘で優雅な時間を過ごしているような気分にあなたをさせてくれるに違いない。
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