アカサカベースが選ぶ、秘蔵の名盤 第18話
ロバート・パーマー「Some People Can Do What They Like」
このアルバムは、ロバート・パーマーが1976年に放った3枚目のスタジオアルバムだ。パーマーが27歳のときのアルバムで、まだ世界的にも知られる前の作品だが、サウンド的には凝りに凝っていて、ソウル、ファンク、レゲエ、ブルースなどの黒人音楽の影響が強く影響される、ブルー・アイド・ソウルの裏名盤と言って良い優れたアルバムである。
1985年に日本でもヒットした「恋におぼれて」や1988年の「この愛にすべてを」などのイメージが強すぎて、スーツ姿で歌うパーマーの姿はどこかバブリーで女たらしなイメージがつきまとうが、本アルバムでは、時にスティリー・ダンを思わせるサウンドメイキングの冴えを聴かせてくれる凝った作りとなっている。しかも、スティリー・ダン不朽の名作「彩(エイジャ)」より1年前のリリースということを考えれば、日本における過小評価ミュージシャンのランキング上位にくるのは間違いないと個人的に思ってしまうのである。
アルバムカバーは、芝生の上で黒人女性と向かい合ったパーマーがトランプに昂じる姿が写っていて、そこに「Some People Can Do What They Like(好きなことをやっても良い人もいる)」のタイトルが載るという意味深なデザインとなっている。
バックを固めるミュージシャンは、ビル・ペイン、ポール・バレアー、リッチー・ヘイワード、サム・クレイトンというリトル・フィートの4人に、ピエール・ブロック、キャロル・ケイ&スパイダー・ウェブ夫妻、ウィリアム・スミッティ・スミスなどが参加しているが、特筆すべきはチャック・レイニーとジェフ・ポーカロの参加だろう。随所で聴けるタイトなドラムとファンキーなベースがリトル・フィートの土臭いサウンドに洗練さをもたらす効果を発揮しているように思う。
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