Akasaka Base|オリジナルのオーディオ製品とアメリカ雑貨 アカサカベースでは、オリジナルの高品質なサウンドグッズ(スピーカー、アンプ等)、 トーマ・キャンベルがデザインした世界に例のないアイデアを活かしたメディアアートをはじめ、 大人の秘密基地にふさわしいアメリカ雑貨やコレクターズグッズなどをセレクトして販売しています。

オリジナル小説「秘密の八重歯」第五章 – 10

あまりにも急過ぎる仲間の死 事件から5日後の1968年12月15日深夜、少年Sは恋ヶ窪の戸倉にある自宅の2階で、父親が以前購入して隠し持っていた青酸カリを飲んで中毒死する。死因は自殺とされるが、今持ってこの事件にはいくつかの疑問符が残されている。   Sが中毒死をする日の昼過ぎ、警視庁立川署の捜査員2名...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第五章 – 9

残された大量の遺留品 警察では、事件発生から都内全署に緊急配備指令を敷いた。更には、神奈川、山梨、埼玉、千葉にも検問を設けたが、犯人逮捕には至らなかった。この影響で首都圏の交通は完全に麻痺してしまい、収拾が付かない事態に陥ったため、午後1時から3時44分にかけて、次々と緊急配備を解除せざるを得なかった。  ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第五章 – 4

犯行の表舞台に立つ2台のカローラ センパイOから2人への次の司令は、犯行に使う2台のクルマを用意することだった。特にこの2台は重要な意味を持つ。1台は現金輸送車からジュラルミンを載せ替えて逃走用に使うクルマ。もう1台は、現送車の前を走って栄町の空地で白バイに乗り換える際に使うクルマである。2台は、なるべく目立たない、...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第四章 – 9

もう一つあった現金輸送コース ノエルは、今日気がついた留意点を頭の中で整理しながら、ブルーバードを運転して小金井の本町団地へと向かった。そして、団地内に停めてあるホンダのカブに乗り換えると、国立の駅前にある喫茶店に入った。いつもなら、報告のためにすぐセンパイOの家へと向かうところだが、この日に関しては11時頃に来るよ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 12

メンフィスでの3人の密談 翌日、ノエルは午後3時に「メンフィス」へと向かった。店内に入ると、少年Sがいつもの席に座って煙草をふかしていた。   店に入ってきたノエルを見て、Sは左手を上げて「よお!」と合図をした。ノエルは、オーナーにオーダーを告げて飲み物を受け取ると、Sの前の席に座った。  ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 7

大切に保管されていた一欠片の隕石 キヨとノエルは、国分寺駅北口にあるY氏の歯科医院の前でタクシーを降りた。はじめてキヨがこの場所を訪れてから12年の年月が経つが、住宅が増えてはいるものの大きな変化はない。キヨとノエルは、歯科医院の門扉を開けて敷地内に入ると、玄関の呼び鈴を鳴らして院内へと入った。待合室には患者が2名座...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 6

はじめて経験した歯の痛み ある日、少年Sと一緒にヴィレッジの売店で買ったホットドックを囓っているとき、ノエルは左上顎の歯に違和感を感じた。ソーセージを噛んでいるとき、今までに感じたことのない、上顎全体に響くような痛みが伝わったのだ。そのことをSに話すと、彼はこう言った。   [caption id=...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 5

立川基地拡張計画の影で起こった日米間の摩擦 リチャード家が立川のアメリカンヴィレッジに住みはじめてから2年後の1957年7月、立川基地の滑走路拡張に向けて、特別調達庁東京調達局が周辺を強制測量をした際、基地拡張に反対するデモ隊の一部が、アメリカ軍基地の立ち入り禁止の境界柵を壊し、基地内に数メートル立ち入ったとして、デ...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 4

ノエルの冒険 立川での新たな出会い キヨの実家では、姉夫婦の赤ん坊が10月に誕生した。山田家にとって念願の男の子である。義兄は結婚を機に務めていた会社を辞め、4月から実家の印刷会社の取締役に就任し、経営から家督までのノウハウを少しずつ伝授されていた。近い将来、父に代わって4代目の社長に就任するのは間違いない。姉夫婦に...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 3

立川基地にあったアメリカでの生活 キヨとリチャード、そしてノエルの3人は、立川基地(Camp Fincam)のアメリカンヴィレッジで揃って暮らすようになった。リチャードは、立川基地の滑走路を拡張して大型のジェット機が離発着できる軍事ターミナルの建設責任者として、その仕事に精を出していた。   [ca...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 2

山田家の跡取りをめぐるもう一つの芽 リチャードは、ノエルと久しぶりに会うことが出来て喜んだが、その日の帰り道に、ゆくゆくは息子を立川のアメリカンヴィレッジへと連れ帰りたいとキヨに話した。   キヨは、山田家がノエルを養子にしたことはリチャードには隠していた。もしそれを彼が知ったら、きっと怒り狂って養育権...

オリジナル小説「秘密の八重歯」第三章 – 1

第三章 立川基地での新生活と、愛息子との再会 キヨとリチャードは、4年間住んだワシントン郊外のアーリントンの自宅を引き払い、東京の立川基地にあるアメリカンヴィレッジへと引っ越しを済ませた。結婚から7年が過ぎた1954年10月のことで、キヨは32歳、リチャードは44歳になっていた。   二人とも立川基地...

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